当社の起源は、徳川時代初期より日本橋大伝馬町にて幕府金座の御用商をつとめた太田屋金箔に発しております。
その後明治20年4月、その暖簾一切を当社初代浅野金太郎が受け継ぎ、
現在の地、銀座八丁目(当時八官町)に太田屋浅野金箔として金銀箔粉商を創業致しました。

爾来約百三十年にわたり金銀箔粉並びに屏風等の美術工芸品の製造販売業を営み、
明治期においては、宮内省、大蔵省等の諸官公衙の御用達を受ける等業績を興しました。

昭和初期には、金地金の統制が実施されるようになった時代から
戦時中にかけての統制強化企業整備の情勢下においても大蔵省から特に特殊商品販売機関としての指定を受けて斯業を継続した実績を持っております。

昭和28年8月金地金の保護維持政策の実施に伴い、神社仏閣等の文化財復元、改修工事が盛んとなり、これに要する金銀箔粉は殆んど当社の製品が使用されることとなりました。殊にわが国の代表的な文化財であります平泉中尊寺、日光東照宮、金閣寺などの復元改修工事には当社の製品が多量に用いられてまいりました。又世界各国との外交関係の伸展に伴い、わが国の在外大公使館における金銀屏風の需要が増大し、その殆どすべてを当社が調製しております。また、わが国のパスポートに無くてはならない表紙の菊花紋は、戦前より当社の箔が使用されておりました。
近年のゴールドブームにより、一般の方々の金に対する関心が高まるなか、当社製品の需要はますます増大し、日常の食器類、諸道具、金継ぎ等をはじめ美術工芸品以外にも、食品、化粧品に至るまで金箔粉が用いられるようになり、伝統工芸の枠を超えて広く業績を上げております。

PAGE TOP